《留萌本線グルメ旅》増毛だけに実りあるオッチャン達との不思議な出逢い【女子鉄ひとりたび】20番線
すべての鉄道を乗りつぶした唯一の女性芸能人が行く北海道の続々編
元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。四国の予土線にある半家(ハゲ)駅から始まった愉快な旅のコースは、遠く離れた北海道の増毛(ましけ)駅でついに成就して、まずは大満足の裕子さん。北のさいはての駅で女子ひとり、次の列車の発車時間までどう過ごすのか? そして意外な出逢いが彼女を待っていた!?
■またもやイカしたオジサンが裕子の前に登場!
増毛(ましけ)駅で突然、叫び声が聞こえた。
ホームで出発したばかりの列車に向かって「ああ?!」と唸り、膝から崩れ落ちる男性。この方も礼文さんと同様、60代に見受けられる。
事情を聞いてみると、私たちと同じ列車で来た旅人だった。
10分後に折り返す今の列車に乗り遅れ、その後に予約している飛行機に間に合わず、今日は自宅へ帰れないかもしれないと途方に暮れていた。
確かに、留萌(るもい)本線は数時間に1本しかない。そして次の列車は3時間後だ。
でも、似た経験を何度もした私は知っている。この男性にとって乗り遅れは、大きなチャンスかもしれない。
けれども、うなだれている方にその意味が伝わるだろうか。余計に落ち込ませてしまうかもしれない。一か八かになるが、今の私にできることはこれしかない。顔面蒼白おじさんに向けた精いっぱいのこの言葉、届きますように!
「おじさん、列車を逃してむしろラッキーですよ! 確かに、今日中に帰れないかもしれない。飛行機もキャンセル料が余分にかかるかもしれない。このあとの手配が大変かもしれない。でも、この増毛駅の周辺には、美味しい甘えび丼があって、無料試飲できる酒蔵もあって、名物のかまぼこ店はその場で揚げてくれるんですよ。増毛神社には育毛剤も売ってて、おもしろい場所がたくさんあります。すぐ帰るのはもったいない。そのあとのことは3時間後に一緒に考えませんか? 私は鉄道オタクなので、よかったら今日中に帰れないか、いろんなルートを調べますよ」
すると、おじさんの目が蘇った。
「そうか。じゃあ、巡ってみようかな」
駅に置いてあった周辺マップに、おすすめの場所を書き込んでお渡しすると、おじさんは街に向かって歩いて行った。お伝えした内容は事前に調べ尽くしたもの。自身も周る予定のルートだ。
よし、私も増毛を味わい尽くしに行こう。
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■今年も鉄道物語in稲沢に出演させて頂きます
スギテツファミリーコンサート 鉄道物語in稲沢vol.3 日にち:2020年10月18日(日) 場所:名古屋文理大学文化フォーラム 料金:全席指定 2,000円(税込) 時間:15:00開演(45分前に開場)
私は大ホールのコンサート合間のトークコーナーに出演します!
今年は小ホールでのステージ開催はありませんが、状況によっては大ホールコンサートの開始前に小ホールで物販を行います。
その場合、決まり次第またお知らせします。
■な、なんとこの夏も、水間鉄道に「女子鉄ひとりたび」ヘッドマーク電車が走った!
掲出日程:2020年8月11日~8月20日(10日間)
掲出車両:1003(青ライン/貝塚駅側)
走行日:8月11、12、13、16、17日
■「女子鉄ひとりたび」サイン本は完売! ブロマイド付は発売中!
イベント当日に来られなかった人のために、木村裕子さんが心を込めて、一冊一冊にサインを入れた本。
2019年の年末に限定部数で販売されていましたが、速攻で完売御礼!
なお3種類の「オリジナル・ブロマイドつき」の本は今も販売中ですので、お早く以下の書店へどうぞ。
販売場所:
書泉グランデ 6F鉄道コーナー
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3-2
書泉ブックタワー 5F鉄道コーナー
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1丁目11-1